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【導入事例】株式会社TBSラジオ様

2017年 2月 15日

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 ラウドネスメータYLM-ND03TVU、YLM-D102H、LLM-miniUが採用されました。ラジオ音量規制の現状および、ラウドネスメータ導入について営業統括局営業推進部 池田様、メディア推進局技術部 富田様にお話を伺いました。

ラジオCM素材におけるラウドネス運用について

株式会社TBSラジオ
営業統括局営業推進部
担当部長 制作統括プロデューサー
池田 昭哲様

 2012年10月、ARIB TR-B32を受け、テレビCMは「音声レベル運用規準(ラウドネス)」について、日本広告業協会、日本アド・コンテンツ制作社連盟、日本ポストプロダクション協会で、その平均ラウドネス値「-24.0LKFS」を取り決めました。

 現在では「テレビCM素材搬入基準」で音声レベル運用規準が適用されているため、CM制作段階で音量は-24.0LKFSという平均ラウドネス値に統一されています。

 それまでCM制作側は、より大きな音で視聴者の気を引きたいという思惑があった反面、視聴者にはマイナスイメージになる問題も存在していましたが、平均ラウドネス値の導入により「テレビCMの音量が大きい」というクレームが減少し、テレビ番組の音量も各放送局間のレベルジャンプが減少する結果となりました。

 テレビCMの音量規定、平均ラウドネス値「-24.0LKFS」を受けて、同時にラジオ局でも議論されましたが、その導入は見送られました。

 2015年9月、ラジオCMのオンライン送稿システム導入に向けて、10年ぶりに「ラジオCM素材搬入基準」を日本民間放送連盟・日本広告業協会の両団体連名でリリースしました。その際、この「音量問題」は議論されましたが、すべての放送局とポストプロダクション、広告会社のCM収録現場に「新規に機器を導入するのは難しい」という判断の下、その表現は従来通り、「基準量子化レベルは-20dBFS」という極めて曖昧な搬入基準が踏襲されました。

 本年4月リリースの「ラジオCM素材搬入基準2017年4月版」でもCMの「音量問題」は先送りにされたまま、オンライン運用という格好の変革時に統一されていないバラバラな音量のCM素材が各放送局に搬入されます。

 ラジオCMのオンライン送稿という「作業のデジタル化」のチャンスをラジオ業界は目先の支出を理由に逃してしまいました。

 放送局に搬入されるCM素材の音量の違いは、各放送局が「CM-DAF」に登録する際、ある程度均一化されます。

 しかし、この登録作業自体が極めてアナログな運用、つまり基準量子化レベル「-20dBFS」という基準が個人の耳に依存しているため、放送局によっては、送出時に音量の個体差が発生しています。

 AM局のワイドFM送出等、次々と音質がクリアになっていく今、まさにこの「音量問題」は避けて通れない課題です。

 特にradikoに関しては、放送局による搬入(送出)ルールに音量規制が無いため、驚くことに各社独自の音量で送出されています。

 スポンサーが複数の放送局に提供している場合、radikoで自社CMをモニタリングしているケースが多く、各々の放送局での「同一CM素材の音量の違い」が多くのクレームを誘発しています。

 各放送局が「CM-DAF」に登録するアナログ作業は、任意の平均ラウドネス値制定が急務です。

 主にテレビCMも製作しているポストプロダクションは、CM音声ファイル制作時、ラジオCM素材搬入基準に合わせて16bitに変換しています。(通常は24bitが主流)

 これは各放送局がCM素材をCM-DAFに登録する際に、規格や環境を16bitに統一しているため、数値を変更するシステム改修費用が発生するルール変更に踏み込むことが出来ません。

 同様に「基準量子化レベルは-20dBFS」という音量規定も、平均ラウドネス値を制定することで、各局CM-DAFへの登録作業の負荷を大幅に減らすことが出来ます。

 少ない放送局でも1ヶ月のCM-DAFへの新規登録本数は数百本と言われています。ラウドネス装置の機器導入は十数万円。全てのCM素材にラウドネスを導入しなければ、これらデジタル処理による業務の簡略化に繋がりませんので、搬入ルールを新たに規定することが急務です。

 ラジオCM素材搬入基準で、新たに「音声レベル運用規準(ラウドネス)」を定めれば、全ての放送局に搬入されるCM音源は任意の平均ラウドネス値で統一されます。

 テレビと同様にラジオCMの音量が全局統一されれば、各局は番組の音量もこれに準ずることになります。

 radikoやワイドFMの送出以前の時点で「音量を統一すること」。これが全放送局の音量を統一することに繋がります。

 2015年12月5日には日本広告業協会と日本ポストプロダクション協会に対して、12月6日には民放加盟101社に対して「ラジオCM素材搬入基準2016年4月版」がリリースされましたが、この内容に「平均ラウドネス値」の音量規定は未だ記されていません。

 これは各放送局や各収録スタジオ機器の導入に関して「機器導入費が発生する」ことがネックになっていて、費用対効果をルール上、正しく啓蒙できれば、そのルール変更は困難ではありません。

2016年 レコード大賞での運用風景 

ラウドネスメータ導入〜今後の課題

株式会社TBSラジオ
メディア推進局技術部
富田 大滋様

 TBSラジオではAM放送、radikoに加え、2015年12月からFM放送を開始しました。ラジオの聴き方が多様になった今、改めて「リスナーがより心地よく聴ける音作りを目指そう!」という声が社内から生まれたのです。

 その一環として、ラウドネスメータを導入し、音声レベルのバラツキが少なくなるような対策を行いました。

 導入する過程では、技術部をはじめ、営業部、制作部、編成部とも密に連絡を取り、ラウドネスメータの特徴や運用方法などの周知徹底を行いました。

@ 生スタジオ、録音スタジオ、編集室、中継用、など各所必要と思われる個数だけラウドネスメータを購入しました。

A ミキサー担当者を中心に、ラジオ放送における運用許容レベルの検討を行いました。
  (今までの音声レベルを著しく逸脱しないレベルを模索)

B 暫定的な許容レベルにて運用を開始し、問題点を洗い出しました。
 ・演出上の制作意図でレベルの低いものはむやみに運用レベルに調整を行わない。
 ・電話等の音質の良くないものは聞き取りやすくするため、運用レベルを上回ることも許容する。
  など、モニタレベルの見直しやコンプレッサ設定の見直しを行いました。

C 本運用レベルをCMレベルにも反映させ、CM送出レベルを調整しました。CMバンクに保存されている素材は、近年録り直したものから、従来レベルのままのものもありましたが、提案運用レベルから外れた音量感のものを取材し、CM素材レベルの録り直し、保存しました。

D 収録番組、ナレーション収録などに反映させるため、制作者向けに周知し、モニタレベルの見直しやコンプレッサーの積極的利用などを提案し実施しました。

E 全国系列局会議にてラウドネス運用を開始したことを報告しました。

 設置が必要な箇所へのラウドネスメータ追加および、運用に応じた必要箇所にリモートボックスYLM-RBを配備する予定です。リモートボックスは中継現場でも利用できるよう中継用にも補充を検討します。

 また、PCを使用した素材編集用にソフトウェアの導入も併せて検討していく予定です。

株式会社TBSラジオ様
 ⇒ ウェブサイト http://www.tbsradio.jp/

ラウドネスメータ製品について
 ⇒ 製品一覧 http://www.yamaki-ec.co.jp/product/proaudio/loudnessmonitor.html

 
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